なくしものや忘れ物の位置情報を簡単に探せる、AppleのAirTag(エアタグ)。
AirTagは通常、カギや財布などの物につけるものですが、ペットの追跡装置としてもつかえるのでは・・・?と考えている人も多いのではないでしょうか。
環境省の調査によれば、2021年度に所有者不明の犬が引き取られた数は21,238頭。この数字を見ると他人事ではないと思わされます。ちょっとした不注意で脱走してしまうこともあり得ますし、万が一のときに後悔しないように迷子対策はしておきたいものですよね。
愛するペットがもし行方不明になったときに、AirTagをつけておいたら追跡できるのかな?
この記事では、こんな疑問にお答えします。AirTagを追跡装置として使うメリット・デメリットに加え、電磁波などの影響やリスクについても解説していきます。
【結論】AirTagを犬・猫の追跡装置として使うのは推奨されていない!
早速結論ですが、AirTagをペットの追跡装置として使うのはおすすめできません。
Appleも推奨していませんし、実際にAirTagを追跡装置として使ってみたユーザーの声からも、追跡装置としての満足度は高くありません。後ほど具体的な口コミも紹介しますが、まずは「AirTagをペットにつけるのがおすすめできない3つの理由」を解説していきます。
理由①誤飲の危険性があるから
まずAirTagをペットにつけるのをおすすめできない理由は誤飲の危険性があるからです。
AirTagは約31.9mm×8mm、大体500円玉くらいの大きさ。これは小型~中型犬でも十分に丸のみできてしまうサイズ感です。こちらのツイートをご覧ください。ある獣医に来たわんちゃんのレントゲンを撮ると、そこに写っていたのは・・・!?
怖いですね。これだけでなく、AirTagの誤飲は多数報告されており、中には手術をしなくてはいけなくなったケースも。AirTagのなかには液体電池が入っており、誤飲して漏れ出した場合は重大な健康被害に陥るリスクがあります。
Apple社のマーケティング担当副社長カイアン・ドランス氏は、インタビューにて「AirTagをペットにつけていいか?」と質問された際、AirTagをペットに使用すべきでないと強調しています。
「AirTagはモノを追跡するためのものであり、子どもやペットを追跡するために設計されていません」
カイアン・ドランス氏、Fast Companyとのインタビューにて
しかしながらAirTagを犬や猫につけようと考える人は多く、AirTagをペットに装着できる首輪なども販売されているのです。しかしこれらは全て非公式の中国製品などです。また首輪につけれるようになっているものは、大体シリコンなどのケースにはめられるようになっている仕様。AirTagにはチェーンを通す穴がないのではめ込むしかないのですが、動き回ってポロンと取れてしまうと危険です。
理由②動いているものの追跡に向いていないから
仮に絶対AirTagが外れないような首輪を買えたとして、それでもAirTagを追跡装置として使うのはおすすめできません。なぜなら、AirTagは動いているものの追跡に向いていないからです。
実際にAirTagをペットにつけて使用した人の口コミを見てみましょう。
Airtagを付けた犬をほかの人に散歩してもらってテストしてみたけど、1時間で位置情報が更新されたのはたったの3回。ずっと動いているはずなのに・・・。20分ずっと同じ場所にとどまっているときもありました。
半径10m以内なら「サウンドを再生」の機能が使えるので、家の中で猫がどこにいるか分からないときは役に立ちました!
正確な位置がわかるのは半径10m圏内くらいに入った時なので、近くを通らないと、細かい方向などはわからない。
AirTagが動いているものの追跡に向かないことが分かります。その理由はAirTagの仕組みを知ると納得できます。AirTagは、以下の2パターンで位置情報を検出しています。
・自分のiphoneの10m以内にAirTagがあるときに、正確な位置情報を検出する
・自分のiphoneの10m以内にAirTagがないときは、bluetoothをオンにしているほかのiphoneユーザーがAirTagの近くを通った時に位置情報が送信される
つまり、AirTagは半径10m外にあるときは、デバイス自体の位置情報がリアルタイムに送信されるのではなく、「最後にbluetoothをオンにしているiphoneユーザーとAirTagがすれちがい、コネクトできたとき」の位置情報が送信されるのです。
ですので携帯のGPSとは違い、位置情報の正確性とリアルタイム性に欠けています。ペットが人通りの多い場所でじっとしていれば何となくの場所がわかるかもしれませんが、動き回っている場合に正確な位置を把握するのは難しいと言えます。
理由③人が少ないところだと機能しないから
AirTagは「bluetoothをオンにしているiphoneユーザーとAirTagがすれちがい、コネクトできたとき」の最後の位置情報が送信される、と解説しました。
同じ理由で人が少ないところだと機能しません。田舎や広い公園、山奥などではiphoneユーザーとすれちがうことが少ないので追跡装置として使うのはおすすめできません。
おまけ:電磁波の影響はない
AirTagの電磁波がペットに与える影響について明記した文献は見つかりませんでしたが、AirTagがBluetooth(無線)を使ったデバイスだということを考えると電磁波の危険性はないと思われます。Bluetoothの電磁波は極めて微弱です。「Bluetoothイヤホンを使うのは人体にとって危険か?」という問いの答えがNOであるのと同じように、AirTagの電磁波がペットに健康被害を及ぼすことはないでしょう。
リアルタイムで犬・猫の追跡がしたいなら、GPSトラッカーがおすすめ!
ペットの迷子防止には、きちんとペット専用に作られたGPSトラッカーを使うのがおすすめです。
AirTagとGPSの仕組みの違いを図で比較してみます。
AirTagなどのスマートタグはGPSの信号を受信することはできません。
GPSトラッカーが直接ネットに接続できるのに対し、AirTagはネットに直接接続できません。AirTagで位置情報を得るには近くにBluetoothをオンにしたiphoneユーザーがいる必要があります。
GPSトラッカーなら周りにiphoneユーザーがいなくてもリアルタイムで位置情報がわかります。
AirTag | GPSトラッカー | |
サイズ | ◎ 500円玉サイズ | ◎ 小さい |
値段 | ◎ 4000円程度 | ○ ネットに直接接続するため 端末代と別に月額が必要 |
充電 | ◎ 1年以上電池が持つ | △ 1週間に一度充電が必要 |
位置情報 正確性 | △ 近くにiphoneユーザーがいるかによる | ◎ 正確な位置情報がわかる |
位置情報 リアルタイム性 | △ 近くにiphoneユーザーがいないと更新されない | ◎ リアルタイムで追跡できる |
その他の機能 | × なし | ◎ 健康管理機能付きのものも |
AirTagはお手頃で手が届きやすいですが、そもそも近くにBluetoothオンのiPhoneがないと機能しないためリアルタイム性や正確性が欠けています。きちんと追跡機能を使いたいなら、GPSトラッカー一択ですね。
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そもそもペット用のGPSはあまりまだ日本では発展しておらず、リアルタイムで正確な位置情報が得られるのは今のところコレしかないです。
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