アラスカンマラミュートは危険?日本で飼えるのか・飼育のコツを解説

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モフモフな見た目がたまらなくかわいいアラスカンマラミュート。その原産は、スキーなどのアクティビティなどでも知られる寒冷地域のアラスカです。また都道府県によって「特定犬」に指定されることもあるアラスカンマラミュートですが、そもそも日本で飼育することは可能なのでしょうか?

今回は、アラスカンマラミュートの魅力や飼育上のポイントについて、詳しく解説していきます。アラスカンマラミュートとの暮らしに興味のある方、飼育を検討している方にとって、必読の内容です。

「特定犬」のアラスカンマラミュートは危険?日本で飼える?

アラスカンマラミュートはどんな犬種?性格や基本情報

アラスカンマラミュートの原産国は、アメリカ最北端のアラスカ

アラスカン・マラミュートは、アメリカ最北端に位置するアラスカ原産の犬種で、古い時代からアラスカの先住民であるエスキモーのマラミュート族によって飼育されてきました。彼らは、主に重い荷物や人を引っ張るそり引きや、狩猟に同行したりするのに使われました。

この犬種は、アラスカの過酷な環境に適応するように進化しました。厳しい寒さに耐えられる分厚い被毛と、過酷な環境でも力強く活躍できる頑丈な体格が特徴です。

サイズはハスキーより一回り大きい

アラスカンマラミュートは大きく力強い体つきをしているのが特徴です。平均的なサイズは性別によって異なりますが、以下の通りです。

オス 体高:約63.5cm/体重:約38kg
メス 体高:約58.5cm/体重:約34kg

ちなみに見た目が似ているハスキーのサイズはこちら。アラスカンマラミュートはハスキーと比べて体高も高く、体重が10kgも重くなっています。

オス 体高:53.5ー60cm/体重:20.5ー28kg
メス 体高:50.5ー56cm/体重:15.5ー23kg

性格は穏やかだが活発で運動量も多い

厳しい環境の中、力強い引き犬としての役割を果たしてきたアラスカン・マラミュート。しかし、その力強さとは裏腹に、家族や飼い主に対しては非常に忠実で従順です。基本的に穏やかで愛情深い性格をしており、家族との絆を大切にします

また、アラスカン・マラミュートは非常に活発でエネルギッシュな犬種です。そり引き犬として長い間活躍してきたことから、とにかく走るのが大好き。運動量は一般的な犬と比べてかなり多く必要としています。しっかりと運動させないと、退屈して問題行動につながる可能性があります。アラスカンマラミュートを飼うなら、少なくとも1日2回、1回60分の散歩が必要です。散歩に加えて、定期的にドッグランなどの広い場所で走る機会もあるとよいでしょう。

アラスカンマラミュートの「子犬を見てはいけない」と言われる理由は?

アラスカンマラミュートはSNSでそのかわいらしい姿が注目されています。特に話題になったのが、「段差が苦手なアラスカンマラミュートの子犬」の動画。ふわふわなアラスカンマラミュートの小犬が、段差を降りきれずにコロコロと転がってしまう動画が世界中でバズりました。

最高にかわいいですよね。でもかわいいからといって、衝動でアラスカンマラミュートを飼うのは絶対に禁物です。アラスカンマラミュートは極寒地域でそり引きをしてきた犬。運動量が多いのはもちろんのこと、日本の気候が合わないため、暑さ対策も必須です。また力が強いので、しっかりとしつけをしないと人に危害を与えてしまう場合もあります。

犬を迎え入れると決めたからには、責任をもって最後までしっかりと面倒を見なくてはいけません。

「毎日2時間も散歩ができる?」「夏はクーラー代がバカにならないかもしれないけど大丈夫?」「移住スぺースは十分?」「しつけの知識は十分?」かわいさだけでなくデメリットや注意点も知ったうえで迎え入れる決断をするのが重要です。

アラスカンマラミュートの飼育の適温は?日本で飼うのは難しい

極寒地域で育ってきたアラスカンマラミュートにとって、快適な温度は~20度。一般的な犬の適温は20~25度ですが、分厚い被毛に覆われたアラスカンマラミュートにとっては、20度でも暑く感じると言われています。アラスカンマラミュートを日本で飼っている飼い主さんは「夏はエアコンを18度に設定」「暑い時期の散歩は早朝や深夜にする」などの工夫をしています。夏はエアコン代がかなりかさむと予測しておいた方が良いでしょう。あなたは毎日2時間、夏の時間は早朝や深夜に起きて散歩ができますか?エアコン18度のキンキンの部屋や、それに伴う電気代に耐えられますか?最近は温暖化も進み北海道でも夏は30度を超える日もあります。正直、日本で飼うのにはかなりの覚悟と費用が必要となりそうです。

アラスカンマラミュートは「特定犬」に指定されている。危険なの?

アラスカンマラミュートは都道府県によっては、自治体が制定する特定犬制度によって「特定犬」に指定されています。特定犬制度とは、特定の犬種に対して、飼育や管理に関する厳しい規制を設ける制度のこと。現在特定犬制度を導入している自治体は、札幌市、茨城県、水戸市、佐賀県の4つで、また同制度を設けていない場合でも、特定の犬種の飼い方について注意喚起を行っている自治体もあります。

この制度が導入されたのは、犬の攻撃や咬傷事件の増加や深刻な傷害事件の発生が相次いでいたからです。日本では犬による咬傷事故が年間4000件以上起きているんです。(環境省「動物愛護管理行政事務概要」令和3年度版)さらに、そのうちなんと99%が野良犬ではなく飼い犬による事件。飼い主によるしつけがどれだけ大切かがわかります。

特定犬制度は特に攻撃性が高いとされる犬種や、大きな身体的特徴を持つ犬種が対象となることが一般的です。例えば佐賀県では、土佐犬、秋田犬、紀州犬、ジャーマン・シェパード、グレート・デーン、ドーベルマン、セント・バーナード、マスチフ、アメリカン・ピットブル、そしてアラスカン・マラミュートが対象とされています。飼い方の指針として、檻の中で飼うこと、特定犬を飼っている旨の表示などを掲げること、脱走した場合には速やかに保健福祉事務所や警察へ通報することが定められています。

アラスカンマラミュートは穏やかで従順な性格をしているものの、しっかりとしつけをしなかったり、運動不足などによりストレスが溜まっている場合、攻撃的になってしまうことがあります。体格も大きく力がとても強いため、しつけをしないと危険です。

アラスカンマラミュートは抜け毛が多い

アラスカンマラミュートは毛が豊富で抜け毛が多い犬種の一つです。彼らはダブルコートの被毛を持ち、季節ごとに毛の抜け替わりがあります。特に春と秋には大量の抜け毛が見られることが一般的なので、定期的なブラッシングや毛の手入れは必須です。

アラスカンマラミュートの値段・飼える場所は?専門ブリーダーがおすすめ

正直日本で飼うのは大変であまりおすすめできないアラスカンマラミュートですが、こうした注意点を知って「それでも飼いたい!」と思っている方は、アラスカンマラミュートがどこで飼えるかが気になるのではないでしょうか?

アラスカンマラミュートは珍しい犬種で、日本のペットショップで売っていることはまずありません
専門ブリーダーから、もしくは海外ブリーダーからの輸入買うのが一般的です。アラスカンマラミュートを販売しているブリーダーさんをまとめたページがあったのでこちらにリンクを貼っておきます。https://www.breeder-navi.jp/breeder?db_id%5B0%5D=61

またアラスカンマラミュートの値段は80万円前後が相場で、一般的な犬種と比べ高価となっています。

アラスカンマラミュートはしつけしないと危険。日本で飼うのは難しい

まとめ

・アラスカンマラミュートは寒冷地域、アラスカ原産の犬
・サイズはハスキーより一回り大きい
・アラスカンマラミュートは穏やかで従順な性格
・運動量は最低でも1日2時間、朝夜2回の散歩が必要
・アラスカンマラミュートの適温は20度以下
・アラスカンマラミュートは佐賀県、茨城県などで「特定犬」に指定されている
・適切なしつけをしないと危険
・アラスカンマラミュートはダブルコートで抜け毛が多い
・アラスカンマラミュートは80万円前後と高い
・アラスカンマラミュートは専門ブリーダーで売っている

愛らしい見た目で人気を集めているアラスカンマラミュートですが、その飼育には注意が必要です。日本での飼育は可能ですが、気温や移住スぺースなどを考慮するとかなり難しいのが現実です。都道府県によっては「特定犬」に指定されるほどの体格と力強さも持ち合わせており、飼育を検討する際には、適切な環境の提供だけでなく、しつけに関する知識をしっかりと学ぶことも重要です。犬を飼う際には、犬種の特性を理解した上で、暮らしを始めることが大切です。アラスカンマラミュートとの幸せな共同生活を築けるように、十分な事前リサーチをしてくださいね。

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